さわやかな秋晴れの季節となりました。コロナは数字の上では少し落ち着いたように見えますが、まだまだ予断を許さぬというのが実際のところかと思います。
さて先日、安部 正敏先生(医療法人社団廣仁会 札幌皮膚科クリニック 院長)による在宅療養における皮膚疾患の講演を拝聴しました。在宅療養では褥瘡以外の皮膚疾患は見逃されがちといいますか、優先度が低くなりがちというのが実情です。しかし、皮膚の痛みや掻痒感が患者のQOLを著しく下げていることもあり、改めてその評価やケアの重要性を認識した次第です。在宅療養現場では、まずは紅斑と紫斑と丘疹を鑑別すること、それぞれに対して適切な治療を行うこと、湿疹三角形を参考に典型的な経過を理解することが重要とのことでした。
図:湿疹三角形
そして、1か月~2か月経過を診て改善しないようであれば専門医に紹介するというのが理想的な流れのようです。通院困難なために訪問診療を行っている患者に皮膚科を外来受診していただくのは本人にもご家族にも負担が大きいものです。できれば皮膚科の往診をしてくださるドクターがいればいいのですが、多くの皮膚科の外来は混んでおり、その合間を縫って往診料の報酬だけで来ていただくのはなかなか申し訳ない気がします。皮膚科との連携が進まないのにはこういった背景もありますね。
ご参考書籍
たった20項目で学べる在宅皮膚疾患&スキンケア(学研メディカル秀潤社)

【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。