最近は医師も看護師も理学療法士、作業療法士、言語聴覚士もみんな紹介会社からしか来なくなりました。以前でしたらコメディカルは新聞の折り込みやネットなどでも応募がありましたが最近は直接電話が来る事は殆どありません。面白いのは新聞の折り込みチラシをまくと翌日には紹介会社から電話がかかってきます。手持ちのコメディカルが居ると折り込みチラシを見た紹介会社の営業マンから電話が来るのです。
折り込みチラシをしなければ、この人材は当院には来なかった事になります。こちらとしては紹介会社への紹介料を押さえたいので折り込みチラシを選択したのです。これでは折り込みチラシの料金と紹介会社への紹介料と両方かかってしまいます。もし折り込みチラシをしなかったら、この紹介会社を知る事もなかったかもしれません。
最近は医療、介護人材の紹介会社はものすごく沢山あります。紹介会社も大手数社はネットなどで探せます。大手は医療機関のクライアントが多い分こちらに人材が回って来ないという事もあります。意外と埋もれているような小さな紹介会社が人材を持っていたりもします。一度、紹介会社と契約をすると定期的に紹介会社の方から連絡をくれるようになります。最近はお世話になる紹介会社の契約社数も格段に増えました。ネットで探して目星を付けた医療機関へ直接電話するのでは無く、紹介会社に「ここの医療機関を紹介してくれないか」という行動をとる先生も意外と多いようです。
医療機関からすれば「直接電話くれれば紹介料がかからないのに」と言いたいところですが医師も紹介会社を通じての方がしがらみが無く就職活動がしやすいのかもしれません。医師は紹介会社を介することで条件面などしっかり話せるようです。こういう方は面接後にも紹介会社を通じて色々な質問があります。面接時には聞かないのです。自分で話すのではなく、紹介会社の方に聞いてもらいたいと思うようです。医療機関の人材募集は年々大変になってきています。
折り込みちらしの話にちょっと戻ります。人間の心理なのでしょうか?「人間は登る」という習性があるようです。例えば藤沢市でしたら、茅ヶ崎市へ折り込みチラシを入れると応募が来ます。横浜市側に折り込みチラシを入れても応募はありません。東京都でも埼玉県寄り、千葉県寄り、神奈川寄りなど川を挟んで県境という所では自分の県に募集広告を出すよりも隣接した隣の県に出してしまった方が応募があります。隣接した隣の県の方がお給料の水準が微妙に安かったりもします。車で30分以内であれば応募します。先ほども書きましたが「人は登る」習性があります。これが逆に隣接した埼玉県や千葉県、神奈川県の医療機関が東京都側にチラシをまいても人は集まらないのです。
医師の確保はコメディカルよりも大変ですね。紹介会社も色々なところと契約しますと、情報も集まりやすくなります。私は地方でお仕事をしている医師が純朴で真面目で優しくて在宅医療で人気があると思っています。地方に居る医師で東京近郊への転職を考えているドクターが居ます。その情報が欲しいのです。そんな時は医師紹介会社から地方に支店があるような会社にお願いして情報を集めて貰います。地方での先生との面接は楽しいです。真面目にどんな在宅医療をしたら良いのか、後方支援病院の事や専門医のことや夜間の電話対応の方法など聞いて頂けます。よその医療機関と比べて自分の法人が優れているところをキチンと説明できるのです。東京近郊でお勤めされている医師の方ですと上記内容も聞いてくれますが、どちらかと言うと条件闘争のような面接になってしまいます。
さて色々な医療機関の方から「中村さんのところではどうやって医師を獲得しているのですか?」という質問を頂く事があります。紹介会社を通じて紹介してもらってますと言うと「紹介会社の持ってくる医師の案件は訳ありの医師しか来ないんじゃないですか?」という質問を良く頂きますがそれは10年以上も昔の話かもしれません。未だにそのイメージが強いのですかね。トラウマがあるのでしょうか。最近はむしろ紹介会社からの先生の方が質の高い先生をご紹介頂けます。むしろ縁故を使って入職した先生の方が失敗するケースも多数です。当院の医師の約7割は紹介会社を通じて入職しています。コロナ禍において面接もZOOM面接が多くなりました。おかげで全国の先生と面接する事が可能になり、医師の獲得がスムーズになっています。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。