訪問看護を始めたばかりの新人は入職して 少ししますと お腹を壊す看護師が居ます。
医師や看護師が訪問するとお年寄りの方は何かを出したくなります。「わざわざ足を運んで来て下さった」というおもてなしの気持ちなのでしょう。
皆さま、お茶、お茶菓子、その他の食べ物・・・各自宅で出てきます。
お年寄り:「看護師さん、このパン食べてって」
看護師:「(心の中で・・・)この菓子パンの袋 いつから開いてるのだろう??」
頭の中ではそんな不安もよぎります。
毎日のように訪問するお宅毎に何かを頂き食べたり飲んだりさせられてお腹を壊したり、食べ過ぎて太ってしまうという事もあります。
だんだんとお年寄りからの「これ食べなさい攻撃」をかわす方法をマスターして行きます。
せっかく出してくれた物を断るのって、なんか悪い気がしてしまいますね。
実際には次のお宅への訪問もあり時間もあまりゆっくりできない、そんな理由もあり、医師、看護師の方は早く切り上げたいのですが、患者さんは引き留めたいという気持ちもありお茶を出したり、食べ物を出したりする人もいます。
基本的には良くしてもらったという事、わざわざ家まで来てくれたという感謝の気持ちという事ではあります。一方で大切な相談や悩みを話したいという事もあります。そんな時に早く切り上げようとすると、怒りをかって更に長く時間がかかってしまう事もあります。
こんな日々を過ごしながら相手を敬い尊重しながらも短時間で対応できる方法を習得していきます。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。