ここ東京は曇天が続いています。梅雨の始まりは例年より早い見込みとのことで、さらに夏は猛暑予測も出ているようで、在宅医療現場ではまた厳しい季節となりそうです。
さて今回は、私が編集に関わった書籍が出版されましたので、そのご報告です。在宅や介護施設での「せん妄」の診断と予防、治療やケアに関する書籍を私と筑波大学大学院人間総合科学研究科 水上勝義教授とともに作りました。せん妄に関連する書籍は、術後せん妄など入院医療現場における医師や看護師向けのものが多く、在宅医療で家族や介護スタッフなど多職種が対応するせん妄についての書籍はあまりないというのが印象です。しかし、これをご覧の先生方もすでにご経験かと思いますが、脱水や便秘、感染症によるものや薬剤起因のもの、また環境変化によるものなどなど、地域においてせん妄はさまざまな場面で出くわします。また、急に活動量が低下する低活動性せん妄は、食事水分摂取ができなくなるなど、治療やケアに難渋することが少なくありません。そこでまずはせん妄の予防を徹底する、せん妄が生じたときにすばやく診断し、原因検索を行って治療やケアにつなげるという動きを地域の多職種で行うための指南書が必要と考えたのがこの本の出版の契機となりました。
専門家の先生方にせん妄とは何かから始まり、診断の仕方、薬剤の選択、介入方法や予防的管理に至るまで解説いただきましたので、ぜひお手に取っていただければ幸いです。
すぐに役立つ せん妄の対応実践講座(医学と看護社)
http://www.igakutokangosha.jp/?pid=167750658

【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。