またコロナの感染者数が増えています。当院の患者さんもあっという間に入院が難しい状況になりました。インフルエンザとともに、ワクチン接種もいまやルーチンワークと化しています。どんな冬がくるのか、不安もありますがこれまで培った経験と、冷静な状況判断で乗り切るしかないですね。
先日、仙台で在宅医栄養専門栄養士として活躍する塩野﨑淳子さんの講演を拝聴しました。多職種で行う在宅栄養ケアについて、多くの実践例を含めてお話くださいました。食生活に生き方が反映されるとの表現に、まさに!と思った次第です。在宅医として患者さん宅を訪問すると、どんな暮らしをしているかを感じるものが多くあります。食事は毎日毎日欠かさず行ってきたことだからこそ、生まれ育ったときに食べたもの、生活を営む上でできてきた食習慣などなど、その方の人生と密接に結びついています。頭ごなしに否定せず、どう今の身体の状態や環境に合わせていくかという視点が必要と考えさせられました。
歯科による口腔ケアにつなぐ、STなどと訪問しての食形態の評価、薬剤師との連携などなど縦横無尽に動き回る管理栄養士さんの姿をたいへん頼もしく感じるとともに、まだ十分に活用されていない実態は少々残念に思います。当院でもまだまだ地域の管理栄養士さんの価値を理解しきれていません。やはりこれも、まずは顔合わせと実績の積み上げからと感じた次第です。

【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。