先日、松戸市医師会長の川越正平先生のお話を聞く機会がありました。松戸市医師会は、「松戸市在宅医療・介護連携支援センター」を設置し、医療・介護職等に対する相談支援機関として、実に多彩な取り組みを行っています。
地域の課題抽出と対応策の検討、相談支援、医師によるアウトリーチ、ハイリスクアプローチ、そして小中学校への出前授業等々、すべてが緻密に設計され、遂行されていることに驚かされました。
私たちは日々在宅医療を通じてさまざまな課題と出会い、それぞれに解決を目指して活動していますが、ひとつひとつ解決しては忘れ去っていくというのでは医療介護を中心としたまちづくりまで到達させられないと気付かされた次第です。情報を集約し、共有し、解決策を仕組化していくという流れを医師会、行政、事業者が一体となって作るという姿に、まちづくりに対する意思と決意を感じます。地域は今後も変容し、それに伴い私たちも変化を求められます。松戸市医師会の取り組みは、その先行事例として重要な要素がつまっています。
松戸市在宅医療・介護連携支援センター
https://matsudo-zaitaku.org/topics/

【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。