朝夕少し涼しく感じるようになったとはいえ、まだまだ暑い日が続いていますね。コロナ発症者は相変わらず多く、体感的には今までに最も件数が多いのかなとも思ってしまいます。コロナ後体調不良が続く患者さんもおり、重症化しにくくなったとは言え、めんどうな感染症であることに違いはありません。
さて、地域で在宅医療を行う上で切っても切り離せないのは認知症の問題です。当院でも近隣トラブルを抱えるような認知症の方の紹介は増える一方、家族も親戚も近隣住民も巻き込んで大事になっているケースもしばしばです。
みなさん、認知症サポート医研修は受けていますでしょうか。認知症サポート医は、認知症患者の診療に習熟しており、かかりつけ医への助言や支援を行い、専門医療機関や市町村等との連携の推進役となるための研修を修了した医師のことで、すでに取得されている先生方も多いかと思います。
私が本日お話ししたいのは、すでに認知症サポート医を取得している医師向けに開催される、認知症サポート医フォローアップ研修です。そこでさまざまないわゆる困難症例やそれに対する社会的サポートの方法などのレクチャーがあるのですが、これがなかなかすばらしく、地域で活動する医師として知っておくべき、明日から使える知識や考え方を学ぶことができます。他の地域の活動を知ることができる機会としても貴重だと感じています。

【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。