急に涼しくなりましたね。インフルエンザワクチンとコロナワクチンの接種が同時にやってきて、院内も診療中も大忙しです。この冬はどんな季節になるんでしょうか。粛々とやるのみですね。
本日は当院で積極的に行っている帯状疱疹ワクチンについてお話したいと思います。当院では、以前より帯状疱疹ワクチンの接種を積極的に推奨してきました。2020年からは、不活化ワクチンである「シングリックス」も発売されました。予防効果が生ワクチン「ビケン」と比較して予防効果が高く、免疫持続効果も長いといわれていますが、値段が高く2回接種が必要なことが難点です。価格差はかなり大きいので、その方の予後や経済状況含めて勘案して患者さんとよく相談の上で決定するのが適切でしょう。ちなみに当院のある大田区(東京都)では、接種脾陽の一部助成があります。全国的に広がっていくことを期待しています。
かつて帯状疱疹を発症し、帯状疱疹後神経痛が起こり、さまざまな治療を試みるも奏功せず痛みで泣いていた90歳の患者さんがいました。いまでも接種が間に合わず、発症する患者さんがたびたびいます。計画的な接種はさまざまな事情があり難しいこともありますが、地道にコツコツと粘り強くやり続けるしかないですね。

【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。