年の瀬が迫ってきました。あっという間の1年、今年もあわただしく過ぎていきました。新型コロナ感染症が5月に「5類」に引き下げられ、いわゆるWithコロナに突入。「新しい生活様式」へと変化し、人の動きが活発になり、当院の患者さんたちも活動量が増えたことは喜ばしくありましたが、人の波とともに増減するコロナ感染者との闘いに振り回された一年とも言えます。
今年も当院では、実習受け入れ施設として多くの学生を受け入れてきました。最近では地域医療を学ぶことが重視されているようで、医学部や歯学部、薬学部や看護の学生など、さまざまな学生が地域の現場を見に来てくれました。在宅医療の現場は、医療者が患者さん宅にお邪魔するという、病院など自分たちの城に患者さんがくるのとは真逆の場面設定に戸惑う学生も多いようです。でも、医療を提供するだけでなく、家族や介護スタッフとの連携を重視したり、環境調整を行う現場をフレッシュな学生に見ていただき、その中から将来少しでも地域に貢献したいという方がいたらうれしい限りです。
ところで、受け入れをしながら私たちが驚くことのひとつに、今の若い方たちのプレゼン能力、言語化能力の高さです。教育の違いなのでしょうか、私たちの若いころとは格段に違います。医療者は、患者さんやご家族に理解していただく表現力を持たなければなりません。彼らのその力が、今後の医療界でどのように花開くのか、それも楽しみのひとつです。

【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。