何かを始めるとき、それをする事は得なのか、損なのか考える事は普通の事です。損得勘定を合理的に考える事は生きていく為には必要なことです。違う言葉に置き換えると打算的とも言います。しかし打算が強い人は周囲からは嫌われたり、あの人はケチだ、などと言われてしまいます。打算すなわち、何かの見返りを求めるという事になります。
見栄やプライドとは何でしょうか?見栄とは自分を実際以上に優れた存在に見せようとする態度の事を言います。SNSなどで「自分はこんなに生活が裕福だ」「人生を楽しんでいるように見られたい」とする人たちが多いので見栄っ張りという人は多いのでしょうね。虚栄心という言葉も同義語かもしれません。一方 プライドの高い人は特殊な技能があったり、実力がある人に多いようです。ある意味拘りだったりもします。自尊心が高く、自分に誇りを持っている人ですが、他人の言う事を聞かないという側面もあります。
さて今回のタイトルの通り 意地を張る人はプライドが高い人なのかもしれません。意地っ張りと呼ばれますが自分の意見ややり方を押し通す性格の人です。他人の意見よりも自分が第一という事になります。結果、周囲と合わないという事になります。基本、意地を張って良い事は何もありません。こういう人の特徴ですが人に優しくありません。その為、人からは嫌われます。周囲からは不快に思われがちです。自分を強く見せたいという欲求が強いので人に弱みは見せません。相談などは大嫌いです。話し合って妥協するという事は、その人にとっては負けたという事になります。もちろんですが相手は勝ち負けだとは思っていません。
もの事に対して意地を張っているときは、あらゆることに反発します。こういう時には感情が高ぶっていて物事の善悪が見えなくなり、正しい判断が出来なくなります。さらに言うと本来、自分が何をしたかったのかも見失ってしまう事もあります。意地を通したのに関わらず自分の思った方向には行かなくなる事もあります。
さて意地を張る人の特徴ですが、答えは1つしかありません。いくつもの選択肢があるという事に気づけないのです。物事の答えは1つでは無いという事に気づく事ができないのです。客観的にみた時に「あ~ 損な人だな」と思う事があるかもしれませんが、いざ自宅に帰るとこれはまた違った意味で意地の張り合いがあるのも事実です。特に夫婦間ではその後の主導権争いに大きく影響を及ぼします。ただ不思議なのですが、普通、周囲から嫌われる、意地っ張りな性格の方は出世しないだろうと思うのですが、これが以外にも社長というトップに立つ人にはこういう性格の方が結構いるものです。
世界的にもロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩最高指導者などはプライドと意地、面子というものが服を着て歩いているような人です。あきらかに損得勘定でいえば損をしているだろうと思うのですが、隣国のいう事を聞いてしまえば負けという事なのでしょう。どれだけ自国が損害を出しても、国民の生活が窮地であろうとも意地の方が大事だという事が判ります。夫婦間と同じで妥協をする事で主導権を失ってしまうという考え方になります。
と色々脱線しましたし、なんの答えもありませんが、平和な世の中になっていただく事を切に祈っています。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。