在宅医療最前線3/21令和6年度診療報酬改定

髙瀬 義昌(医療法人社団至髙会 理事長)

2024-03-21

 桜の季節がやってきましたね。東京の開花予想は平年並みの3月24日です。卒業式で満開、入学式は間に合わないかなというスケジュールです。

 さてさて、令和6年度の診療報酬改定の内容が公表されましたね。私たち在宅医療のクリニックもそれなりに影響を受けそうです。新設の外来・在宅ベースアップ評価料や在宅医療情報連携加算など準備が必要なものなどもろもろありますが、在宅医療の現場で話題になっているのは、施設入居時等医学総合管理料の減算でしょうか。

 直近3ヶ月以上の訪問診療回数を合算した回数が2100回以上の場合で、看取り件数が少ない、施設入居時等医学総合管理料の割合が多い、介護度が低い患者が多い場合(他にも要件あり)に6割減算となるというものです。看取りまですること、居宅の患者も多くみること、介護度が低い患者は在宅では診ないことなど大きなメッセージは理解できますが、地域性や介護度に現れにくい心身状態などの事情で、上記要件に当てはまらないケースも想定されます。

 今後の事務連絡等を待つことにはなりますが、厚労省のメッセージも受け取りつつ、私たち在宅医療が今後どのような機能を求められ、組織づくりをすべきかを考えなければなりません。いずれにしても私たち医療機関にとって気忙しい季節到来です。


【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。

人気記事

厚生労働省<br>中医協総会に提案、了承<br>食費基準額を20円引き上げ  今年度診療報酬改定でアップも食材費高騰続き、必要と判断
2025-02-11
医療行政最前線

逆恨みの心理(逆恨みしてやめる職員)

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

逆恨みの心理(逆恨みしてやめる職員)
2023-01-04
医療行政最前線

相談するくせに話を聞かない人

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

相談するくせに話を聞かない人
2023-01-05
在宅医療最前線

死亡診断書が書けないケースも

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

死亡診断書が書けないケースも
2022-04-06
在宅医療最前線

関連記事

相談するくせに話を聞かない人

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

相談するくせに話を聞かない人
2023-01-05
在宅医療最前線

死亡診断書が書けないケースも

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

死亡診断書が書けないケースも
2022-04-06
在宅医療最前線
“クレーム”なのか“クレーマー”なのか
~「誠意をみせて欲しい」は確定診断~
2019-04-24
在宅医療最前線

進化論

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

進化論
2025-02-05
在宅医療最前線