表題に書いたように人には長所と短所が誰にもあります。そしてその長所と短所は表裏一体で良い点でもあり悪い点でもあります。例えば、「物事に対して慎重という」と長所に聞こえますが「決断できず優柔不断」という1面もあります。「頑固↔拘り(こだわり)」「行動力↔せっかち」「寛容↔アバウト」「ぶれない↔マイペース」「柔軟性がある↔流されやすい」「論理的↔理屈っぽい」「自信がない↔謙虚」など上げれば切りがありませんが人は両方の側面を持っています。
職場において特に上司のパーソナリティーにもよりますが上司の仕事とは長所を伸ばす事であり短所ばかりが目について部下を潰してしまう人が居ます。むしろそういう人材の方が多いかもしれません。
何故か人は長所よりも短所の方しか見えなくなってしまうようです。一度短所が気になってしまうと。その事が頭から離れなくなってしまいます。あばたもえくぼという言葉もありますが恋愛気にはどんな事も長所に見える時期がありますが、一定の期間が過ぎるとすべてが短所に見えて来るという事もあります。もしかするとこの変化の時期というのは人間関係の賞味期限なのかもしれません。
また自分自身でも人から良く見られたいという心理から入職当初はネコを被っています。短所は見せない、長所だけを見せたいというのが人の常です。自分の良い点だけを見せてそれがその人のイメージとなりますが、猫を被っていられる期間はだいたい3カ月です。会社や病院でも3カ月のお試し期間などがあるところもありますが、だいたいその期間が過ぎた頃から本性が出始めます。このお試し期間が過ぎた後に本性が出始め、そのギャップが大きければ大きいほど周囲からはハレーションが起こり始めます。
3カ月のお試し期間に自分のマイナス面もみせておくとギャップは少なくお互いのダメージは最小となります。3カ月後ハレーションを起こしてしまい、人間関係にトラブルが出てしまった人はまずは謝るというのがセオリーなのですが、これも実は表裏一体ではありますが、謝り方が上手い方とそうで無い方がいます。そうでは無い方の謝罪というのは言い訳がましいと思われてしまう人です。まさに表裏一体ですよね。
【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加