在宅医療最前線12/26新地域医療構想案について

髙瀬 義昌(医療法人社団至髙会 理事長)

2024-12-26

 年の瀬ですね。今年は診療報酬改定報酬改定盛りだくさんの1年だったことと思います。もろもろやっと落ち着き、無事1年終えられるかと思っていた矢先、爆発的なインフルエンザの感染拡大にクリニックも大わらわです。

 さて、先日厚生労働省より地域医療構想の案が公表されました。在宅医療を受ける高齢者が2020年から2024年の間に62%増加する見込みとのことで入院に限らない在宅医療の受け入れ体制強化がうたわれています。

 これまでの地域医療構想の中心は病床数でしたが、今後はそれぞれの医療機関が地域でどのような役割を担うのか、それも含めて議論されるという流れのようです。まあいわば当然ですね。

 一方で、在宅医療に携わる中では、担い手不足、人材不足を感じられている先生方も多いのではないでしょうか。当院でも医師その他スタッフの採用がますます困難になっていると感じます。より効率化し、より最適化するには1つのクリニックの中だけでは解決しないのかもしれません。いかに地域の他医療機関や介護サービスと連携し、機能分化して地域を支えるかという視点が必要です。場合によっては人事交流も効果的かもしれません。

これまでの開業医のあり方とは、ずいぶん変化したと感じます。DX化はもちろん、経営管理の観点からも、新しい視点や考え方を取り入れ取り組んでいく必要があります。来年もまだまだ精進の年となりそうです。
どうかみなさま良いお年をお迎えください。今年1年お付き合いありがとうございました。



【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。

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