寒い日が続いていますね。3月になると一気に暖かくなるとの予想もありますが、雪の多さに困惑している地域が多いとのニュースに、冬の厳しさはもう少し続くのかと想像しています。
さて、東京都医師会で「東京オレンジドクター」を認定する制度が始まり、私もさっそく登録しました。定義としては、「身近な地域における医療・介護の一層の連携と認知症対応力の向上を図るため、地域包括支援センター等と連携して活動ができる認知症サポート医」となっていて、診療歴や診療件数以外に地域包括支援センターと合意書を交わしていることや、地域包括支援センターからの相談への対応、認知症初期集中支援チーム・認知症検診・認知症カフェへの参加、研修講師としての協力を可能として公表することなどが要件となっています。つまり、認知症サポート医とよばれる医師のうち、地域での活動を熱心に行うドクターを明確にして、地域側から見ても連携しやすい仕組みを確立するのがねらいです。
行政や地域の介護専門職の方などが、認知症の方のケアを考えるにあたり、医療者との連携をしたいと感じたときに、だれにどうアクセスし、どんな協力を仰げるのか困っているという実情があるようです。そんなの相談してもらえばいくらでもと思ってはいても、時間や制度の制約もありスムーズに進まないことは多いものです。まずは、医師の側から相談しやすいドクターですよという意思表示をしましょうということかと理解しています。
これらの活動からまた課題を拾い上げ、次の資源開発や制度作りに活かすという地域のセンサーのような仕事も在宅医の役割のひとつと考えています。

【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。