在宅医療最前線4/23診療ルートの調整

髙瀬 義昌(医療法人社団至髙会 理事長)

2025-04-23

  新年度が始まりましたね。当院ではこの4月に多少の医師の入れ替わりがあり、慌ただしい日々を過ごしています。常勤の医師が増えて診療体制を拡充したのですが、それに伴い、診療ルートの追加や変更、診療助手やドライバーの配置の変更などなど、付随する業務に追われています。

 さて、ここで在宅医療では日常業務ともいえる診療ルートの作成、みなさんはどのように行っていますでしょうか。当院では通常時は電子カルテ上の機能で前月分の定期診療ルートを翌月分の診療スケジュールにコピーし、患者さんの都合や医師の休診などに伴う変更を実施するという作業を毎月行っています。新患はその都度診療場所や医師の専門性などに合わせて患者さんと相談しながら決めています。
 というのが通常時の作業なのですが、これを続けていくと同じ日に離れた患者宅を訪問すること、渋滞が発生しやすい時間にある道路を通行しなければなる、商店街にある患者さん宅など車両進入禁止時間に差し掛かってしまうなどのことが生じるようになることがあります。これらは効率的な診療の妨げになります。移動時間はできるだけ減らし、その分診療に費やしたいと考えるのは当然のこと、当院ではこの医師の入れ替わりがある4月に向け、大幅な診療ルート調整を行いました。

 当院が使用している電子カルテでは、当日の診療ルートは確認できるのですが、全体像を把握するのが難しいため、今回はExcelを活用して1カ月分の現在時点での全診療ルートを把握する表を作りました。そこから日ごとに訪問するエリアを決めて患者さんの診療日と時刻を変更して、理想と思われる診療ルートを作成した後、患者さん宅1件1件に電話をして調整、必要に応じて修正していくという手順で行いました。

 結果として診療効率はずいぶん改善しました。ただこの作業、膨大な時間がかかります。1年に1回程度の作業とはいえ、さすがにやり方は一行を要すると感じています。そもそも毎月、その都度効率化が図れていれば、こんなことにはならないはず。これまでも診療ルート作成のためのツールの検討はしていましたが、導入には至っておらず、もしかしたら今回がそのタイミングだったのかもしれないといまさらながら考えています。
今年はこの問題にじっくり取り組みたいと思います。進捗あればまたご報告したいと思います。



【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。

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