今日はこんなタイトルにしてみようと思います。「独り相撲」、「1人相撲」、「ひとり相撲」どれも同じ意味なのでしょうか?若干違うようです。まずは「独り相撲」ですが「独り相撲」の意味は自分だけが意気込んで取り組む事で実りの無い努力を一人で行う事です。
そして「1人相撲」とは二人で行う相撲を一人で演じる事です。江戸時代から明治にかけて大道芸や猿楽として行われていたものっだそうです。投げや土俵際の攻防や行司に至るまで一人で演じる滑稽な見世物の事をいうそうです。
いや~知りませんでした。一般的には前者の「独り相撲」の意味で使う事が多いですよね。パソコンでひとり相撲を叩くと2種類出てきますので、どっちが正しいのかなと思っていたのですが、やっぱりそれぞれに意味が在ったようです。
そんな訳で何故こんなタイトルにしたかと言いますと、在宅医療の現場において相変わらず独り相撲の先生がまだまだ多いのだなぁと感じることがあります。今更言うまでもなく在宅医療はチーム医療だという事です。医師、訪問看護師、薬剤師、ケアマネージャー、ヘルパー、リハビリ職など多職種が連携し患者、家族を中心に生活の場で安心して療養生活を支えるのが在宅医療です。これら全てが連携する事でQOLを高めます。単なる病気の治療では無く、住み慣れた場所で自分らしく生活を続ける事が大切です。
さて本題です。在宅医療において「独り相撲」の医師とはどんな医師なのでしょうか?先ほども書きましたが在宅医療とは「医療・看護・介護」または薬局や行政などとチームで支える医療なのですが、それを無視して一人で判断して往診をする医師の事です。患者や家族の希望よりも、医師個人の医療観を押し付ける医師もいます。治療方針や看取りなど患者やその家族によってスタイルは変わります。
また過剰なワンマン体制は緊急増悪時に他の職種と連携をしない事で対応が遅れる事もあります。総て自分独りで対応する事で患者や家族へ迷惑を掛けたり、不安にさせたり、また自分自身も疲弊したりします。また多職種が独り相撲を取る事もあり、情報が共有されず、医師が現場を把握しきれないまま診療が進む事もあります。
独り相撲を取る医師の心理とはどんなものなのでしょうか? まずは、
①「責任への不安」です。
自身の診療内容が指摘や訴訟などにつながる可能性を心配しています。
②「誤解の回避」
医学的な専門用語や確定診断に至までの過程を患者や第三者が理解できず不要な不安や誤解を招く事に対して恐れている。
③「未熟の隠ぺい」
自身の診療スキルや知識の不足を隠したい。またはプライドが高く指摘される事を嫌う。治療過程をチェックされたくない。
などがあります。
いずれにしましてもこういった医師は評価されません。またこのような医師は業務を分担する事ができず過労死に至るような事もありました。今回は在宅医療がチーム医療であること、多職種連携が大切だという事を改めて書いておこうと思いました。
されでは今回もなぞかけで〆たいと思います。
独り相撲とかけまして
ただいま車をぶつけて 警察を呼んでます
とときます
その心は・・・ はい、それ自己中(事故中)です。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加