厚生労働省の「介護福祉士国家試験パート合格の導入に関する検討会」は9月24日、これまでの議論を踏まえた報告書を取りまとめた。
パート合格は、筆記試験の13科目をパート分割し、各パートで合否を判定。合格したパートはその後2年間、合格扱いにするというもの。導入により受験者・合格者が増え、専門性の高い介護福祉士が確保され、質の高い介護サービスの安定的な提供ができることが期待される。
報告書では、導入時期について、2026年1月実施予定の第38回試験より導入することを提言。初めての受験では全パートを受験し、再受験時に不合格パートの受験を必須とする。
パート分けは、受験者の利便性や運営面の負担を考慮して同じ科目群を同一パートとする方針のもと、次の3分割とすることが示された。
▽Aパート(人間の尊厳と自立、介護の基本、社会の理解、人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術、生活支援技術)
▽Bパート(こころとからだのしくみ、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、医療的ケア)
▽Cパート(介護過程、総合問題)
国家試験は介護福祉士としての知識・技能を担保するものであるため、報告書は「パート合格の導入によって、介護福祉士の知識及び技能の水準が維持できず、介護サービスの質が低下するものであってはならない」と指摘している。