財務省財政制度等審議会は11月29日、「令和7年度予算の編成等に関する建議」(いわゆる「秋の建議」)を取りまとめ、加藤勝信財務大臣に提出した。
介護については、今後高齢者が増加する一方で現役世代が減少することを踏まえ、制度の持続性確保に向けたさらなる改革は「不可避」と強調。①保険給付の効率的な提供(人手不足への対応)、②保険給付範囲の在り方の見直し、③負担の公平化──について、これまでも主張してきた施策を進めるよう改めて提言した。
具体的施策として、①では、ICT機器の活用等による介護事業者の生産性向上を促したほか、経営の協働化・大規模化を早急に進めるよう求めた。また、特養等でさらなる人員配置基準の柔軟化に引き続き取り組むことも要請した。そのほか、軽度者に対する訪問介護・通所介護の地域支援事業への移行を求め、特に生活援助は「段階的」にでも地域の実情に応じた多様な主体がサービスを担えるようにすべきと主張した。
②では、介護老人保健施設・介護医療院における多床室の室料負担の見直し(基本サービス費からの除外)や、ケアマネジメント(ケアプラン作成)への利用者負担の導入を提言した。
③では、利用者負担の見直しを求め、所得に応じて2割もしくは3割負担となっている介護サービス利用者の対象範囲を拡大することを盛り込んだ。負担能力については、所得だけでなく金融資産も判断材料として検討するよう主張している。